Serversman@CAS

2009年最後のお買い物はServersman@CASとなった.
これはいわゆるNAS(Network Attached Storage)の一種.
2010年2月号のMacFanに紹介されていたこの商品を,件の「総ネットワーク化計画」の一環として導入した.
このストレージが他のメーカーのものと一線を画するのはCAS(Cloud Attached Storage)という機能を有するところ.
簡単にいうと,DropBoxやMobileMeなどのクラウドストレージサービスを自宅に設置したNASを使って行おうというもの.
技術的な解説はこのページがまだ比較的分かりやすい.
以下要点を引用する.

端末からサーバーに通信を始めて,サーバーとの間に仮想的なトンネルを作る。これは通常のWebアクセスと同じようにNATがあっても問題なく接続できる。サーバーに接続すると「EL IPアドレス」が割り当てられる。10で始まるクラスAのプライベートIPアドレスである。端末間はこのEL IPアドレスを使って,通信する。
インターネット上での表向きの通信はクライアント/サーバーなのだが,サーバーを経由した仮想的な通信網で,ICMP,マルチキャストを含むあるゆるIP通信ができるようになっている。

つまりは,ServersManを開発元のサーバーを一時的に経由させることで(データを外部サーバーに預けるわけではないというのがポイント),接続する端末同士に対してそのサーバーが独自の仮想プライベートIPアドレスを割り当て,端末同士はダイレクトに通信しているような形態をとるという機能のようだ.
僕が職場で扱うデータというのは個人情報だらけで,やむを得ず自宅で仕事をしたいときにデータを持ち帰るとしても,万が一の紛失を考えるとUSBメモリは使いづらいし,DropBoxなどのクラウドストレージがどこまで安心してデータを預けられるのか怪しいところもある(おそらく実際上は問題にはならないだろう.米国人がわざわざ日本語を解析して個人情報を見ようとは思わないだろうし).
そんな中,このCAS機能を使えばかなり安全にデータを移動させられる.
非常に画期的な機能と言える.
利用はもちろん仕事のみにとどまらない.
両親に娘の写真や動画を配信したい場合でも,共有アカウントを割り振れば簡単にデータにアクセスしてもらえる.
わが家の場合写真データはRAW形式で撮影・保存しておりクラウドストレージの数GBという容量ではあっというまに埋まってしまって役に立たない.今まではや無を得ず解像度を落として,「見てもらう」だけに近い状態で共有していたが,今後は生のデータにアクセスしてもらって必要に応じて各自プリントアウトできるという状態になる.動画もしかりだ.
説明書が少々不親切で導入に少し手間取ったが,現在鋭意データを移行中である.
NASを使うのは初めてなのでよく分からないのだが,基本的にLANでの接続に限定されてしまうようで大容量のデータを移行するのには非常に時間がかかる.
1000baseTにも対応しているようなのでCat.6のケーブルを買ってきたらもう少し体感速度はマシになるかな.
あと不安が残るとすれば,Serversmanの親サーバーがいつまでちゃんと稼働してくれるかという点.
もちろん当分は大丈夫だとは思うが,親サーバーがなくては動かない仕組みなので開発元であるフリービット(どうやらLivedoorの堀江氏などと親交の深い方の会社のようだ)にはぜひ頑張ってもらいたい.