そろそろMadoneのインプレ

なんだかんだで500km弱は走ったのでそろそろMadoneのインプレをば。
外観:2011年モデルもそうだったが、Madoneは実物とカタログ写真とで受ける印象がかなり違う。もちろん実物の方がいい。自分自身、実は2011年モデルの在庫を手に入れようとアヴェルに奔走してもらったり、いざ2012年モデルを頼んでからはオーダー後に色を変更してもらうという暴挙にでたりと散々迷ったカラーリングなのだが、最終的に選んだマットブラック/グロッシーブラックのカラーリングは、かなりキテる。特にトップチューブの「Madone SSL」というロゴが最高。「SSL」の部分をあえてグロッシーブラックにして目立たなくしてあるあたりにセンスを感じる。とにかく、ただならぬオーラを放つカラーリングだ。塗装のクオリティも十分に高く、少なくとも自分は全く不満はない。
スタイリングということではちょっと不満だったのが、思ったよりもスローピングがきついこと。595はスローピングとはいえ、シルエット的にはホリゾンタルに比較的近いものだったが、MadoneのH2フィットはかなりのスローピングぶり。その分、シートポストはかなり出せて20cm以上あるんだけども、個人的にはやっぱりもう少しスローピングが緩い方が好み。
重量:以前の記事にも書いた通り、付属ステムをつけて、フォーク込みで1500g。ステムの重量を量るのを忘れていたが、レースXライト120mmなのでカタログ値128gだとして、フレーム+フォーク(シートマスト抜き)で1370gといったところか。十分に軽量。軽量フレームだと耐久性が心配になるが、少なくともフレームを持って凹むような危うさは感じていない。
走行性能(平坦/下り):ゼロスタートは非常にスムーズ。これはどのスピード域でも言えることだが、クランクを回しただけ推進力に換わっている感覚を受ける。595の時に感じていた「グッ」と一瞬たわむ感じがない。あっけないぐらいスムーズにクランクが回って、クルクル回していたらスピードが上がっているという表現が正しいか。逆に言えば、回さねば減速していくような錯覚に囚われそうになるぐらいとにかくフレームが「回せ!回せ!」と言ってくる。自分程度の脚力では、トルクを掛けてもBB周りのたわみは皆無で、やはり回せとせき立ててくる。セラミックベアリングを驕ったBBも影響しているとは思うが、恐ろしいほどのBB周りの安心感。だが、高トルクで踏みまくっても脚に来る感じはさほど受けない。
直進安定性は、低速でも問題なし。軽量なためか、高トルクでいっぱいいっぱいに踏んでいると少しヒラヒラした感じはあるが、怖さはない。コーナリングはそんなに攻めてないが、少なくとも先日の耐久レースで下りコーナーをノーブレーキで曲がった時でも全く不安はなし。ステアリングもニュートラルであると感じた。
走行性能(登り):軽量フレームだから登坂性能は優れていて当たり前。登りも平坦と基本的には同じで、踏み込むペダリングよりも回すペダリングが合っていると思う。高ケイデンス型の、いわゆるクライマー向けな印象。ダンシングは、595のようなしなりがない分、リズムが少し早めになる。595に慣れた自分としては少し習熟が必要と感じている部分。
快適性:走行性能のところでも書いたが、剛性はあるフレームだが脚にはあまりこない。それは先日のエンデューロで実証済みで、あれだけ筋肉がヤバい状態で出場して、ラストで紛いなりにもスパート出来たんだから、剛性一辺倒の某社のフレームとは違う。
体感的な快適性はレーシングフレームとしては十分に高レベル。購入当初感じたよりは、路面の凹凸を伝えてくるなとは思うが、振動減衰は速いので、上半身へのダメージもさほどない。595とはどっこいどっこいというところか、どっちかというとMadoneの方が疲れにくいというぐらいの微差。
シートマストという独自のシートピラー構造を採用しているが、これは正直眉唾。サドルが快適になったとは感じない。もっとも無段階調整ができるという点は、595の最低なE-Postとは比べ物にならない。
総評:とにかく現時点では、自分のような低レベルな人間では欠点らしい欠点をしてきできない。万能な優等生という表現がピッタリ。ただ、感性に訴えかけるような、アドレナリンがドバーッと出るようなフィーリングには乏しいのは確か。あと、上記にも書いた通り、かなりハイケイデンスを求めてくる印象のフレームなので、普段のケイデンスが低めの人にはもしかしたら合わないかも。