体幹トレのまとめ その1

練習時間が潤沢に確保出来ない中で、如何に効率よくトレーニングするかを検討し、現在体幹トレーニングを積極的に行っている。

以前から興味はあって昨年夏ぐらいから実践してはいたものの、トレーナーに付いて指導してもらったわけではなく所謂ハウツー本を参考にメニューをこなしていただけであった。それでも取り組み始めた昨年末に比べるとかなり体幹力は上がったと感じてはいたのだが、それが競技に活かせているかという疑問が残っていた。

それを痛感したのはランニング。特にトレイルラン。不整地を走るスポーツだけに、しっかりした体幹が無いと安定した走行ができないし、またロングになってくると腸腰筋の筋力不足で腿上げが疎かになって何でもないようなところで蹴つまづくということがしばしば。ロードのランでも、筋力不足(絶対的な筋力が足りていないというのもあるだろうが、今ある資源を有効に使えず結果として相対的な筋力不足になっている可能性もある)が祟り、タイムが伸び悩んだ。トップスピードが伸びないのである。そういえば、ランニング関係のハウツー本でも体幹の安定性をしきりに訴えていた。

そんなこんなで、体幹トレーニングへさらに熱心に取り組み始めたところでとあるブログ記事に出会った。masahifさんという自転車関係TLでは有名な方が書かれた記事なのだが、自転車でもついに体幹トレの時代が来たか!と衝撃が走った。思わずこのスマートコーチングさんに電話して、先週末にJKした際に指導を受けようとしたのだが残念ながら予約が埋まっており受講はかなわなかった。ならば、と体幹トレ関係の書籍を乱読してみた次第。

前置きが長くなったが、今回は体幹トレ関係の本を読んでみて、自分なりに解釈したものをまとめてみることにする。(数回に分けて記載)

自分が読んだ本

まず今回は自分が読んだ本を列挙してみる。

1. 体幹力を上げるコアトレーニング

体幹力を上げるコアトレーニング

木場 克己

成美堂出版

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昨年から自分の教本として使っていた本。初級・中級・上級と3段階のメニューを提示してあり分かりやすい。どの筋肉を使っているのかも明示されているのもポイントが高い。巻末には競技別のメニューもいくつか掲載されている。(残念ながら自転車はない)メニュー数は少なく、応用が効かない。またトレーニングに関する基本的な知識に関する記載が非常に乏しい。とりあえずの入門書としてはイチオシ。

2. コアパフォーマンス・トレーニング―身体を中心から変える

コアパフォーマンス・トレーニング―身体を中心から変える

マーク バーステーゲン ピート ウィリアムズ

大修館書店

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体幹トレーニングの理論的背景から実際のトレーニング方法、栄養、ストレッチなどなど、網羅的に解説した大著。翻訳もさほど不自然さはなく読みやすい。DVDが付属しており、トレーニング方法を視覚的にも理解しやすくなっている。各スポーツ毎に必要なメニューがどれなのかということについてはほとんど記載はなく、自分でトレーニングを選択する必要があるという意味では上級者向けかもしれない。

3. PILATES Mastery マットワーク編 習熟したい人のピラティス・テキスト

体幹トレーニング、とは若干違うのかもしれないが、トレーニング内容としては非常に共通点の多いピラティスの教本。理論から実践まで網羅されている。ピラティスのマットワークを学びたければ、この本か、次の本のどちらかを買えば十分だと思われる。

4. ピラーティスアナトミィ

ピラーティスアナトミィ

ラエル・イサコウィッツ カレン・クリッピンジャー

産調出版

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これも網羅的ピラティス教本。こちらの方は使用する筋肉を明示してあり、個人的にはこちらをお勧めする。

5. 写真でわかるファンクショナルトレーニング

写真でわかるファンクショナルトレーニング

マイケル ボイル

大修館書店

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体幹トレーニングとは厳密には違うけれども共通項の多いファンクショナルトレーニングの教本。ファンクショナルトレーニングとは、ウェイトトレーニングのように筋肉を個別に鍛えるのではなく、実際の運動動作に近い形のトレーニングを行うことで筋肉を共同させた状態で負荷をかけるという手法。基本的に鍛える部分が体幹部であり、体幹トレーニングの一環と捉えても大きく間違ってはいないと思う。レベル別に様々なメニューが記載されており、ファンクショナルトレーニングを学ぶには最適か。

6. ファントレ

ファントレ トップアスリートのトレーニングを自宅で!

鈴木岳

朝日新聞出版 (2013-02-20)

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「体幹力を上げる~」のファンクショナルトレーニング版っていう感じ。目的別に分けたメニューが数種類ずつ提示されており、それをこなしていくと云う形。理論的な説明が乏しいのも同じ。巻末に1ページだけ各種スポーツで取り組むべきメニューが載っているが、ちょっと物足りない。

7. Tom Danielson's Core Advantage: Core Strength for Cycling's Winning Edge

Tom Danielson’s Core Advantage: Core Strength for Cycling’s Winning Edge

Tom Danielson Allison Westfahl

Velopress

売り上げランキング: 10,313

GARMIN所属のプロサイクリスト、Tom Danielsonのコーチを行なっている方(なんと女性!)が書いた本。英文ではあるのがネックだが、自転車に特化したメニューが豊富に載っているのが素晴らしい。ただし、実際に行うには呼吸法をどうするべきなのかなどの記載が不十分な点も目立つ。kindleで買えば1000円を切るので買いやすい。

8. 競技力アップのスタビライゼーション―身体能力を著しく向上させる実践的トレーニング

「スタビライゼーション」という言葉は著者が考案した言葉で、要は体幹部の安定性を高めて四肢への筋力伝達を向上させよう、というつまりは体幹トレーニングである。ややマイナーな本のようだが、トレーニングメニューが100種類以上も写真・解説付きで記載されており、競技ごとのメニューチョイスもちゃんと記載されている。ただ、惜しむらくは、各メニューに関してどの筋肉を意識すべきかが全くと言っていいほど記載されておらず、漫然としたワークアウトになってしまいかねない。この点さえ改善されれば名著になりうるのに・・・。

9. アスリートのためのコアトレ―100のエクササイズ12の処方箋

評価に迷う本。メニューは豊富かつ詳細なのだが、基本的に道具を使わないといけないメニューが大半。コアトレを行う前に、歪んだコア(脊柱)を「リセット」する必要があると説き、そのためにはストレッチポールという道具を用いねばならないようだ。このストレッチポールが7~8000円もする高価なものであり、気軽に試してみることができない。ジムなどでストレッチポールを自由に利用できる環境にある方には有用性が高い本なのかもしれない。あと、文章がヘタでかつ散漫で内容が理解しにくいという点もマイナス。