為末大「走る哲学」、小松成美「なぜあの時あきらめなかったのか」
最近読んだスポーツ系の新書を2冊紹介。
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1冊目は陸上ハードル選手の為末大著「走る哲学」。
- 作者: 為末大
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2012/07/12
- メディア: 新書
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5章立てになっており、スポーツの話題にとどまらず社会問題や時事問題などにも踏み込んだ発言も収載されているものの、やはりアスリートの発言集だけに、競技への取り組み方に関する発言こそが興味深い。いくつか紹介してもキリがないぐらいの至言・名言の宝庫。為末氏が選手時代にいかに悩み、苦しみながら成長していったのかがにじみ出てくる。氏の苦悩の過程を、こんな簡単に追体験させてもらえるなんて!
翻って自分自身、ここまでしっかり自分を見つめて自転車をやってるかと思うと恥ずかしくなるほどに何も考えていない現実に気づく。それはまだ、本当の意味での壁にぶち当たっていないからかもしれないが、競技者として残された時間は決して長くない。練習の質を高める意味でも、常に自分の立ち位置をはっきりさせて練習する必要があると痛感させられた。
アスリート必読書。
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もう一冊が小松成美著「なぜあの時あきらめなかったのか」。
- 作者: 小松成美
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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が、為末氏の本を読んだあとにこの本を読むと、いかにも内容が薄い。どうも上っ面を撫でたようなレベルの発言にとどまっており踏み込みが物足りない。それと、ジャーナリズムという意味では、アスリートの背景描写も浅め。無難というか卒なく、というか・・・。もともと雑誌連載(PHP連載)だったものをまとめた本という性格もあるだろうし、27人ものインタビューを1冊にまとめている分、紙幅の都合で各人の割り当てが6~8ページ程度と少なめであることも影響しているだろうけど・・・。
ちょっとタイトル負けしている感じ。