疲れMAXIMUM、筋トレ関係本「石井直方シリーズ」

「よりによってこういうときに限って・・・」と愚痴りたくなるぐらい(事実Twitterで愚痴ったが、笑)全然寝られない当直。小出しのジャブを受け続けて、気がつきゃ5時半。そこから7時までは一応寝たが、もう1時間半経ったの?という感じ。
それでもわずかに寝られたことは大きい。ブルベなんかでほんの10~20分ほど寝るだけでずいぶん回復するという記事をよく読むが、まさにそれを体感しているな。
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最近読んだ本をご紹介。

使える筋肉・使えない筋肉 理論編―筋トレでつけた筋肉は本当に「使えない」のか?

使える筋肉・使えない筋肉 理論編―筋トレでつけた筋肉は本当に「使えない」のか?

筋トレの方法論をもう少し自分の中で体系化したくて購入してみた。監修の石井直方氏は元トップボディービルダーにして東大教授というかなり異色な研究者で、最近この手の筋トレ本を乱発している。乱発していること自体の是非はともかくとしても、乱発できるというのは市場のニーズに応える内容を提供できているということだろう。Amazonのレビューでもおおむね好評そうだったのでこの本を選んだ。
タイトルにある「使える筋肉」「使えない筋肉」とはどういうことなのかということを出発点に、筋トレを高効率に行う方法論を理論的背景とともに説明していくという内容。
筋肥大を効率的に促すための方法論を突き詰めていくと、筋肉へ刺激を与えることを優先し、現実の運動とはやや乖離したトレーニングを行うように馴化していく。そのため、実際のスポーツにおいては、たとえば、極力単一の筋肉に負荷をかけるようにする傾向になり複数の筋肉の協調運動が稚拙になったりだとか、筋肉への刺激を最大にするために一回の運動中ずっと全力を発揮し続けるようになってしまい筋疲労が著しく早くなったりだとかといったことが弊害として現れてきてしまう。この弊害を有した筋肉こそが「使えない筋肉」なのである。
こうした弊害は筋肉が肥大したこと自体が問題なのではなくて、それを制御する神経系の問題であると指摘している。そのため「神経系を鍛える筋トレ」といったものも必要になってくるというのがこの本の趣旨であろう。
それを理解した上で、本書の後半に記載される筋肥大を高効率に行う方法論を取り入れていけば、「使える筋肉」を短期間で育て上げることが可能になるのだろう。
自転車競技でも重視されるパワーは、速度(自転車の場合ケイデンス)と踏力(トルク)の積で求められる。踏力を左右するのが筋力であるというのは自明であるが、ケイデンスを左右するペダリング回転運動を生み出すもとになるのも結局は筋肉であるので、ある意味パワーを高めるには筋肉の二乗が影響していると言っても過言ではないかもしれない。競輪やトラック競技のように固定ギアを用いる種目では、モアパワーを生み出すためにロードレース以上のハイケイデンスが必要となるからこそあの太い脚が必要になってくる。一方、相対的にそこまでのハイケイデンスが必要とされない環境では競輪レベルの筋肥大は必要なく、むしろ筋肉を付け過ぎると重りになりうるため、ロード選手、とくにクライマーやオールラウンダー選手は異常なほどの脚の太さというわけではない。これは陸上競技でもまったくもって同じで、黒人の短距離選手の筋肉量と、マラソン選手の筋肉量は大人と子供以上の差がある。日本のアマチュアロードレースで走行する距離を考えると、マラソン選手的な体格よりも、もう少し距離の短い中距離系選手あたりの体格を参考にするとよさそう。
この本でもう一つ印象に残った記述は、通常の練習中に筋トレを兼ねるようなメニューを行うのは推奨しないということ。自転車で言うとSFRなんかは行うべきではないとする。理由としては二つあって、ひとつは単純な筋トレに比べて筋肉に与える刺激が低く効率が悪いということ、もうひとつが無理に負荷をかけようとするばかりに普段のフォームが崩れてしまい、結果として故障を引き起こしたり神経系に妙なクセがついてしまうことを挙げている。SFRなんかを行うべきかどうかは今もって議論が分かれているところだろうけど、僕自身はこの本の意見に賛成なので基本的にSFRはやめる方向でいこうと思う
この本は「理論編」とあるように、具体的なトレーニングメニューについては全く触れられていないので別途他の本を参照する必要がある。同じ本のシリーズで「実技編」もあるがウェイトやマシーンを用いるメニューが大半のようなので、僕は同じ著者のこの本を参考書に買ってみた。
5つのコツでカラダが変わる! 筋力トレーニング・メソッド

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スポーツをやってる人間からするとちょっと物足りなさを覚えるかもしれないが、自転車の場合、体幹筋を主に鍛えればよいわけでこの本でもわりと十分に思える。実際、昨日からこの本を参考にやってみたが、クランチひとつ取っても意識の持ち方でここまで効果が違うかと思うぐらい筋肉パンパンになった。入門書としてはかなりお勧め。
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カンチェラーラの勝利で幕を閉じたストラーデ・ビアンケ。カンチェの復活は単純に嬉しかったし、春のクラシックがより楽しみになろうかというもの。
が、気になったのはBikeRadarに載っていた新型?Madoneの情報。Trekからはノーコメントだが、従来型とは明らかにことなるタイプのMadoneが投入されている。これが2013モデルなのか、はたまたクラシック用のスペシャルモデルなのかは不明。もしクラシック用だったとしたら、従来のワンモデルですべてのレースを賄うという構想に無理があったということか・・・。
それにしても相変わらずイケてない内蔵ブレーキのルーティング。後日また記事にするつもりだが、ここは現行Madoneの最大のデザインミスだというのに・・・。